レンズの厚みって、出来上がる前に分からないの?
メガネを作るとき、「レンズの厚みはどのくらいになりますか?」というご質問をよくいただきます。
実は、この「厚み」というのは、完成してみなければ分からないように思われがちですが、実際にはある程度まで計算で導き出すことができます。
レンズの厚みは、次の三つの要素で決まります。
- 度数(どれくらい視力を補正するか)
- フレームサイズ(レンズの横幅や縦幅)
- レンズの材質(屈折率)
この3つが分かれば、仕上がりの厚みはかなり正確に予測できます。
度数
たとえば近視の場合、度数が強くなるほど中心が薄く、周辺が厚くなります。
また、フレームが大きいほどレンズを削る範囲が広がるため、外側に向かって厚みが増します。
フレームサイズ
小ぶりなフレームを選ぶと、削り取る部分が少ないため同じ度数でも仕上がりが目立ちにくくなります。

レンズの材質
屈折率についても重要です。
一般的なプラスチックレンズには、1.50、1.60、1.67、1.74などの種類があり、数字が大きいほど光を強く曲げられるため、薄く仕上げられます。
ただし、薄ければ必ずしも「きれいに見える」わけではなく、反射の色味や見え方のバランスも考慮する必要があります。
計算の精度

このような条件をもとに、「レンズの中心」や「眼の中心(PD=瞳孔間距離)」といったデータを組み合わせ、厚みのシミュレーションを行うことができます。
実際のレンズ設計ソフトや計算式を使うと、「右レンズの端が約2.8mm、左が3.1mm程度」など、ほぼ実寸に近い数値が事前に分かるのです。
つまり、度数とフレームが決まった時点でレンズの厚みは完成前に分かるものなのです。
もちろん、実際の加工ではレンズの形状や傾き、フィッティングによってわずかな誤差が出ますが、見た目の印象を大きく左右する厚みの違いは、計算でかなりの精度で予測可能です。
納得できる厚みで作るために
度数とフレームが分かれば、事前に最適な組み合わせを導き出すことができます。
厚みが気になる方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。


